ほんトノトコロ

小説を中心に読書感想文を掲載します。 書評の域には達しておりませんので悪しからず。 好きな作家は江國香織、吉田修一。

続いて、角田光代著『八日目の蝉』。

周りの人の高評価を受け、以前から読んでみたいなと思っていた一冊だった。

背表紙程度の概要をざっくり言うなれば、女性による女児誘拐。もちろんその背景には悲しい理由がある。

夏にかけて楽しんで鑑賞していた『名前をなくした女神』、そして同じ頃にいくつか文献を読み直した秋田幼児殺害事件(畠山鈴香容疑者)。この二つを頭の隅に置いて読むととても恐ろしくサスペンスチックなテーマである。


だから、冒頭の30頁ほどを読んだときは、ひたすら怖かった。どうなってしまうのだろう。

だけど、この小説には、しっかりとした光が、希望が見える。
登場人物に対する作者の愛が垣間見える。

書きようによっては、ひたすら悲劇的に仕上げることもできたはずで、僕もそれを覚悟していたけれど、角田さんはそうしなかった。このあたりはやはりブレないなと思う。


解説で池澤夏樹氏も述べているが、極めてフェミニズムが感じられる作品である。だからこそ、男の人にも読んでもらいたい。この作品には女性の市井が描かれている。


期待する展開とは違ったが、評価は90点。やっぱり角田さんだなーと感じられる一冊でした。

映画もあるよ。

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